代表的な世界の帆船(船の建造年順、建造年が不明な場合活躍した年または世紀)
船名(種類) | 年 代 | 国 籍 | 船 の 歴 史 |
ファラオの船 (エジプトの海洋航海船) The ship of Egypt |
紀元前2500年 | エジプト | 紀元前2500年頃に君臨したエジプトのサフール王朝時代の船。 |
バイキングの船 Viking's ship |
9-12世紀 | ノルウエーノウノルウェールノ | スカンジナビアを拠点にヨーロッパ各地に遠征し、公易や植民のために使われた(1904年ノルウエーのオゼベルグで発掘され、現在オスロ郊外の博物館に収められている) |
サンタ・マリア SANTA MARIA |
1492年 | スペイン | 黄金の国ジパングを目指した有名なコロンブスの旗艦、全長30m、100トンほどのキャラック船。 |
ゴールデン・ハインド GOLDEN HIND |
1568年 | イギリス | 1577年キャプテン・ドレークが、スペインの植民地を略奪した時のガレオン船。 |
フランダースのガレオン船 FLEMISH GALLEON |
1593年 | ベルギー | 1953年 フランダース(現ベルギー)の家臣が国王フィリップ2世に贈ったガレオン船、オリジナルはマドリッドの海事博物館が所蔵、16世紀の最も美しい船と言われた |
ローテル・ルーヴェ ROTER LOWE |
1597年 | ブランデンブルグ | ブランデンブルグの統治者フレデリック・ウイリアムのためにオランダで建造された小型ガレオン船。 |
ハーフムーン HALF MOON |
1609年 | オランダ | イギリスの探検家ヘンリー・ハドソンが、オランダ東インド会社の依頼により、ヨーロッパからインドヘ行く北方航路を発見するための探検航海に使われた小型ガレオン船。 |
バーサ WASA |
1628年 | スウェーデン | スウェーデングスタフ・アドルフ王が、バルト海の制海権を強化するために造船先進国オランダの技師に設計させたガレオン形の戦列艦、1628年8月処女航海に出帆した直後突風を受け沈没(1961年に引き上げられ、現在ストックホルムのバーサ博物館に収められている) |
ラ・クローン LA COURONNE |
1636年 | フランス | ルイ13世の時代、当時の造船先進国オランダから技師を招き、フランスの国威をかけて建造された砲72門の第1級戦列艦(ラ・クローンとはフランス語で王冠) |
ソブリン・オブ・ザ・シーズ SOVEREING OF THE SEAS |
1637年 | イギリス | チャールズT世の令により、イギリスの国威をかけて建造した砲100門の第1級戦列艦、大きさ、武装、攻撃力は当時のあらゆる船を凌いでいた、彫刻装飾には金箔が貼られ光輝く姿から、黄金の悪魔と恐れられた。 |
プリンスウィレム PRINCE WILLEM |
1651年 | オランダ | オランダ東インド会社の大型武装商船、1652年蘭英戦争ではオランダ艦隊の旗艦として活躍。 |
フリースランド FRIESLAND |
1663年 | オランダ | デ・ロイテル提督の指揮した艦隊に加わり、第3次英蘭戦争に参加した砲80門の戦列艦、17世紀長崎の出島 にも来航。 |
ハンブルグ WAPPEN VON HAMBURG |
1667年 | ブランデンブルグ | ブランデンブルグ王国が、当時造船先進国オランダに発注し建造した全長44. 6m、879トン、58門の大砲、170名の水兵、50名の海兵隊を乗せて商船団の護衛にあたっていた戦列艦。 |
ソレイユ・ロワイヤル SOLEIL ROYAL |
1669年 | フランス | ルイ14世の時代ブレスト海軍工厰で建造、三層砲甲板、砲106門の第一級戦列艦、1690年トウービル提督の旗艦としてべべジェール海戦に参加。 |
ラ・ミラージュ LA MIRAGE |
1670年 | フランス | 17世紀末フランス海軍の黄金時代に建造された第2級戦列艦(ミラージュという艦が存在したという記録はないが、世界最古の海軍図鑑「コルベールの地図書」には二層の砲甲板を持つ74門艦が描かれている) |
ボンバルダ BONBARDA |
1670年 | フランス | フォアマスト(一番前のマスト)がなくそのスペースに強力な白砲(大型の榴弾を放射状に発射)を2門備えた 軍艦。 |
チャールズ・ヨット CARLES ROYEL YACHT |
1674年 | イギリス | チャールズ二世はアムステルダム市から寄贈されたヨット・メリーに魅せられて同様の王室ヨットを25隻建造した船の中の一隻これが英国におけるヨットの始まりとされている。 |
ベルリン BERLIN |
1675年 | ブランデンブルグ | ブランデンブルグ候国のロール長官が、大選挙候艦隊用として当時造船技術の進んでいたオランダに発注して建造した砲18門のフリゲート艦、ブランデンブルグの黒熊と恐れられた。 |
レアル・ド・フランス Real de France |
1679年 | フランス | フランス国王「ルイ16世」のガレー船 2本のマストに巨大なラテンセイルを持つ全長63m デッキ上部の幅9.7mの艦船 59挺のオールを装備しオールに対して7人の漕ぎ手が配備され合計413人の漕ぎ手がいた。 |
サン・フェリーペ SAN FELIPE |
1690年 | スペイン | 三層砲甲板、砲108門の第一級戦列艦、一度も海戦はなく1736年解体。 |
ジャンク | 18世紀 | 中国 | マルコポーロの東方見聞録に紹介された中国の武装商用船。 |
ユニコーン H.M.S.UNICORN |
1748年 | イギリス | スエーデンのフレデリック・チャップマンにより設計され、砲32門搭載した2層構造のフリゲート艦、船首に伝説上の動物ユニコーン(一角獣)が飾られている。 |
ロイヤル・キャロライン ROYAL CAROLINE |
1749年 | イギリス | イギリス国王ジョージU世の王女キャロラインの名を持つ王室のヨット、1749年デプトフォードで進水、豪華な装飾をほどこし軍艦にも見えるがロイヤルファミリーのプライベート用のヨット。 |
ラ・シレーネ LA SIRENE |
1750年 | フランス | ユニコーンと同じフレデリック・チャップマンにより設計され砲32門搭載した2層構造フリゲート艦、構造はユニコーンと同じであるが操舵輪の上に屋根が付いている、船首にはギリシャ神話の魔女サイレーンが飾れれている。 |
ミスティック MISTICQUE |
1750年 | フランス | フランス、マルセイユで建造された貨物船、私掠船から身を守るため18門のキャノン砲を装備。 |
ドルフィン DOLPHYN |
1750年 | オランダ | ケッチ型の縦帆装船、航行性能が良くオランダ、フランス、イギリス海軍が使用した。 |
ジーベック xebec |
1753年 | スペイン | 16世紀から19世紀までおもに地中海で商船、小型軍艦、海賊船などに使用されていた。 |
エンデバー ENDEAVOUR |
1762年 | イギリス | 有名なキャップテンクック(ジェームス・クック)が南太平洋の探検に使った貨物船(本船はもとは石炭運搬船) |
H・M・Sビクトリー H・M・S VICTORY |
1765年 | イギリス | 1805年トラファルガ沖海戦では、ネルソン提督の旗艦となりフランス、スペインの連合艦隊を打ち破った、砲104門搭載の第1級戦列艦、現在ポーツマン軍港に保存されている。 |
ノースケ・ロブ NORSKE LOVE |
1767年 | デンマーク・ノルウエー連合王国 | 世界で初めて鉄製の砲身を搭し、バトル海に君臨した砲68門搭載の戦列艦、ノースケロブとは「ノルウエーのライオン」という意味。 |
ハリファックス HALIFAX |
1768年 | イギリス | アメリカ独立戦争の頃アメリカ東海岸で活躍した、植民地用スクーナー。 |
アンフィオン AMPHION |
1778年 | スウエーデン | ストックホルムで国王ダスタフV世の王室ヨットとして建造、ロシアとの戦争で快速を生かし偵察に活躍。 |
バウンティー BOUNTY |
1787年 | イギリス | 南太平洋のタヒチに向かう途中で、反乱事件がおきたことで有名な船、アーロン・ブランド主演「戦艦バウンティーの反乱」の映画にもなっている。 |
ダイアナ HMS DIANA |
1794年 | イギリス | 英国海軍38門第5級フリゲート艦。 1810年イギリス海峡、セーヌ川沖で英海軍戦列艦HMSリベンジらとともにフランス軍フリゲート艦と戦い勝利,1815年オランダ海軍に売却。 |
コーンスティテューション CONSTITUTION |
1797年 | アメリカ | アメリカ海軍が建造した最初の大型フリゲート艦、対英戦争で躍した、現在ボストン港に保存されている。 |
ハンター HUNTER |
1797年 | イギリス | イギリス海軍の武装カッター(カッターとは一本マストの船に与えられた名称で軍艦としては小型) |
トナン TONNANT |
1798年 | フランス | コルベット型、私略船(交戦相手の船を捕獲する権利を受けた民間船) |
ラ・トルネ-ズ LA TOULONNAISE |
1823年 | フランス | フランスのツーロンで進水し、ジョルスィン提督に率いられてスペインとの海戦に参加した。 |
黒船(サスケハナ) | 1850年 | アメリカ | 1853年6月、江戸湾に突如4隻の黒船が来航、4隻はペリー提督が指揮するアメリカ東洋艦隊で、旗艦は外輪式スチーム・スループ(サスケハナ)2,450トン、船体78メートル余、備砲15門、まるで鉄の塊のようにまっ黒な色をしていたため、江戸の人々からは(黒船)とよばれた。 |
咸臨丸 | 1857年 | 日本 | 幕府がオランダに発注して建造した(昇降式スクリューを持つ)1860年日米修好通商条約のため浦賀を出航、サンフランシスコへ向かった、艦長は勝海舟、乗組員に福沢諭吉、ジョン中浜万次郎がいた。 |
フライング・フィッシュ FLYING FISH |
1860年 | アメリカ | 有名な造船技師ジェレミナ・バーナムの設計により、マサチューセッツ州エセックスで建造、100トンほどのスクーナー型の漁船。 |
サーモピレー THERMOPYLAE |
1868年 | イギリス | カティーサークとティーレースのデットヒートをしたことで有名。 |
カティーサーク CUTTY SARK |
1869年 | イギリス | イギリスのダンバートンで建造、お茶の産地、中国、インド、セイロンなどからイギリスまで運ぶ目的で作られたティークリッパー。 |
ブルーノーズ BLUENOSE |
1920年 | カナダ | ニューファンドランド島沖合で活躍した非常に高速な漁船、漁船でありながらヨットレース国際レガッタで優勝。 |
日本丸 | 1930年 | 日本 | 文部省航海訓練所練習船、1984年引退、現在横浜に保存されている。 |
エトワール | 1932年 | フランス | すべてのマストが縦帆の帆船(スクーナー) |
ダンマルク DANMARK |
1933年 | デンマーク | デンマーク、ナスコフで建造、帆船航海訓練船、アメリカ訪問中に第二次世界大戦勃発のためアメリカにとどまり戦後返還された。 |
エスメラルダ ESMERALDA |
1952年 | チリ | 1952年スペインで建造、後にチリ海軍が練習訓練用として購入、別名「太平洋の真珠」と呼ばれ現在も活躍する非常に美しい帆船、1970年大阪万国博で大阪港に寄港。 |
メイフラワー MAYFLOWER |
1957年 | イギリス | イギリスブリックスハムで建造、1620年迫害を逃れ106人の清教徒をアメリカに運んだ船。 |
新日本丸 | 1984年 | 日本 | 文部省航海訓練所練習船、初代日本丸の老巧化により住友重機械に発注し建造。 |
あこがれ | 1993年 | 日本 | 大阪市所有のセイル・トレーニング帆船、1993年建造の日本初自治体所有の帆船。現在もさまざまな人たちが帆船での航海を体験するために活躍中。 |
イマイ(KINGS HOBBY BOOK)カタログ引用 |